12月8日 退院翌朝
この日は木曜日だったので、市の火葬場はお休みだった。
でも、退院して1日の準備の日があって、良かったと思う。
朝は本当に久しぶりにゆっくり目覚めて、ゆっくり朝食を食べた。
そしてゆっくり犬の散歩に出かけた。
まだ子宮に痛みがあるし、なんだか踏ん張れないのでゆっくりゆっくり歩きながら、近所の郵便局で用事を済ませ、パン屋さんでパンを買うというコース。
途中、通った公園にはたくさんの保育園の子どもたちがいた。
見ていてつらいか?と言ったら、さほど辛くはなかったけれど、
「この子たちみんな1人1人、奇跡だわ…」という思いだった。
でも、一瞬、枯葉で遊んでいた小さい女の子とお母さんの姿を見たら、急に涙が噴き出た。
夢の中で何回か出てきた可愛い女の子、きっとそれって希ちゃんだったのかなぁと思うのだけど、ちょうどそんな感じの女の子だったから。
歩きながら夫とこんな話もした。
「色々な死産の人のブログを見ててね、みんな産まれてきた赤ちゃんが『夫に似てる』とか『私に似てる』とか書いているんだけど…9割がた『夫に似てる』って書いてる気がするんだよね。で、昨日あなたの寝顔を見ながら思ったんだけど、それって自分の顔よりも普段、夫の顔の方がよく見ているからなのかなぁって思ったり…希ちゃんはどっちに似てるって思った?」
そして実は2人とも同じようなことを思っていた。
ちょっと口角が上がっている感じは母親の私に、そして目や鼻の付き方は父親の夫に似ているって…
15週の小さい命にもすでにそんな私たちの面影があるんだね。命って本当にすごい。
帰宅してお昼を食べて、シャワーを浴びて、久しぶりにしっかりお化粧をして(きれいなお母さんでいてあげなくては!と思った…)私たちはセレモニーサービスに預かってもらっている我が子の面会に出かけた。