12月6日 入院2日目(午前)
外が明るくなるころには自分で血圧を測定したり、テレビでニュースを見たりして過ごしていた。痛みはちょっと鈍くあるくらいでほとんどない。
夫が朝8時前には病室に来てくれた。夫もあまり眠れなかったみたい。
朝ごはんを食べて、次の処置を待つ。
朝ごはんは干物やのりが付いていて、最近ずっと減塩生活だったから
「こんなの食べていいの?!」なんて言いながらも、体力をつけないと陣痛に耐えられないと思って完食。
昨日の説明では午前中の処置は…
子宮口が十分に開いていれば陣痛促進剤を入れる。
十分でなければラミナリアを増やすと聞いている。
(昨日のN先生は増やすときにはもうあまり痛くならないと言ってくれていたの少し安心していた…)
呼ばれて処置室へ。
今日の助産師さんは夫の同室を認めてくれたので、カーテンのこちら側で夫がずっと手を握っていてくれた。
担当の先生は今まで見たこともないおじいさん先生だった。
向こうの医局の声が聞こえる「ん?だれ?は?○○さん(私の苗字)ね。はいはい。」
なんだかすごく嫌な予感がした。
何のあいさつも説明もなく先生は処置を始めた。
いきなりラミナリアを抜き始めた。
あれ?昨日は足りなければ足すって言ってたのに…
向こう側で助産師さんと研修医みたいな人が話しているんだけどこの老人医師とずっと会話がかみ合っていないのが聞こえる…こ、怖い。
「痛い!」
というと「は?痛くないだろ?大丈夫だろ?」みたいな言われ方もした。
最悪な医者に当たってしまった…
なんでこんな時に…
「だめだよ。こんなんじゃ入らない。◎◎◎はどこ?◎◎は?」みたいな会話を私の不安をよそに繰り返している。
もう勘弁してほしい。
「あの・・・どうなっているんですか?何をしているんですか?」
声を振り絞っても、老人医師の答えなし…
痛みよりもだんだん不安と怒りがこみ上げてきた。
あと少しで暴言吐くところでした…
隣の夫もかなりイライラしていた。この対応、ひどすぎる。
結局、赤ちゃんの頭よりもまだ少し小さい2cmの子宮口。そして柔らかさも足りない(この後、助産師さんが説明してくれたのは、普段は鼻の孔くらいの固さの子宮口は、出産できるような状態では耳たぶや唇くらいに柔らかくなるらしい。分かりやすい。)ということで、陣痛促進剤はまだ入れずに、バルーンを挿入されていた。
処置が終わるころに、私達の叫び声も聞こえたのか、科長のM先生が処置室に入ってきて、最後にチェックと説明をしてくれた…正直、ようやく安心した。
あとはこのバルーンが落ちてきたところがサインということで、とにかくバルーンが出てきたらすぐにナースコールをするように言われた。
また、M先生は「もしかすると自然に陣痛が来るかもしれない」と説明してくれた。
病室に戻り、助産師さんが様子を見に来たとき、
私達夫婦は、この老人医師に対する不満と不安を伝え、
もう2度とこの人に処置をしてほしくないと伝えた。
医師にとっては私たちはたくさんいる患者の1人かもしれない。
でも、私達にとっては人生の本当に大きな大きな局面なのだ。
それが心からの訴えだった。